【アニメ】フリクリ レビュー

セカイ系が好きな人にオススメとのことで鑑賞したところ、
「あーなんか言いたいことはわかるけど全くの別物だったわ」といった今作。

昔のガイナックスが好き勝手に作った感じがするOVAシリーズである。

秀逸なのが台詞回しで、兎にも角にも適当である。
その場その場でキャラクターが話したいことを話すし、言いたいことを言う。
おかげでストーリーなんてあってないようなもので、何が起こったか分からないうちにノリと勢いだけで物語が進んでいくように見せかけて一ミリも進まない。

自転車のタイヤが高速で回転していると車輪が止まって見えたり後ろ向きに回っているように見えることがないだろうか。
このアニメはそれに非常に近い。

何が起きているか全く理解できないし、制作者側も説明する気なんてまったく無くて、なんかよくわからないだろうけど「振り落とされるなよ! ついてこれる奴だけついてこい!」といった気概を感じる。

だが、それがいい。

アニメーターや演出も、それこそ『やりたいことを好き勝手に』本能のままにアレコレ試していた。あんな映像が作りたい、こんな映像が観てみたい。
今でこそ商業的に難しいが、昔のOVAはやりたい放題していたよなーなどと懐かしむ。

結局のところ、メディカルなんたらが一体どういった組織で、この世界ではどういう対象なのか明確な説明も無いまま、なんかわからないけど政府の人間から「こいつらこの世界を滅ぼすことだってできるんだ、それこそアイロンみたいに真っ平らに」と主人公は聞かされ、それを防ぐために「あの女と関わっちゃ駄目だ」などと忠告されるが、一話の時点からギターで頭を殴られ脳みそをこねくり回され撲殺天使ドクロちゃんのような可愛さもないイカレた女性を主人公が好きになる要素なんかこれまたこれっぽっちもないわけだが、好きなのだ。

一番イカれてるのは主人公だった。

つまりは、みんなやりたい放題なのである。
このアニメの登場人物はみんな自分がやりたいことのためだけに行動するし、それによって世界がどうなろうと知ったこっちゃないのである。

このアニメを一言で説明するなら、一人一人のキャラが立ちまくっているアニメと言うべきだろうか。
特に眉毛が本当に良い役だった。あんな役をいつか私も演じてみたい。
おかげで一分たりとも退屈することがなく、自分でも分からないうちに一気に六話鑑賞してしまった。

きっと私はこのアニメの内容を明日には忘れてしまうだろう。
なんかわからないけど面白かったなーという漠然とした記憶だけが残る。

そして、明日からまたつまらない毎日が始まるのだ。
いっそギターで頭をぶん殴ってしまえば楽になるのかもしれない。

そんなときはこのアニメを観るといい。
『the pillows』の音楽が世界を繋げてくれるはずだ。

【評価】★★★★★★☆☆☆☆☆ 6/10