【映画】キングスマン レビュー

マシュー・ヴォーン監督のキングスマン。
スパイ映画、と一言で片付けて良いのだろうか。

まず、主要キャラクターが簡単に死ぬ。
王道的な復活も無い。裏切りや残酷な殺し合い、人類の存在意義と、非常に重いテーマを恐ろしいほどに美しくスタイリッシュに描いている。
オシャレなアクションとビビットな映像演出、そして細部にまで仕掛けを施した掟破りのシナリオが魅力だ。

いや、魅力とは本来、物事の一部に焦点を当てたときに秀でている部分のことを言うのだけれど、この作品においてそれは無い。完璧とも違う。

全部ズバ抜けて凄いのだ。すっごーい!(サーバル感)

ネタバレになるので控えるが、教会でのアクションシーンは何度も観てしまった。
観終わってから「えっこの映画なに? こんな感情初めて……」と放心するに違いない。
それも、あらゆる知識や物語のお約束を知っている大人が抱く感情なのである。

あなたは初めて『ユージュアルサスペクツ』を観たときの感動を覚えているだろうか。
カイザーソゼが歩いた瞬間、ぶわっと鳥肌が立ったのではないだろうか。
世代が違う方は『SAW(ソウ)』とかでもいい。

とにかく、私達はあの感動をもう一度味わいたいと思っていても二度と体験することができない。
なぜなら人間は‘記憶’してしまうからである。

それも、映画を観たときの衝撃が大きければ大きいほど忘れられないのである。
これは残念ながら事実であり悲劇である。

歳を重ねるごとに、あなたも多くの映画やアニメに触れたことだろう。
その度に、物語のお決まりやお約束といった大まかな流れを肌で感じてしまう。
「あーまたこのパターンか」と嘆息し、昔の映画は良かったなーなどとつまらないことを考えてしまう。

それは間違いなんだ。
面白くなくなったのは映画ではなく、知識を身につけてしまった私達なんだ。

では解決策はあるのか?
断言しよう、『キングスマン』を観ればいい。

あなたが求めていた斬新なストーリーとキレッキレのアクションが待ち構えているはずだ。
もしもあなたが『キングスマン』をまだ観ていないのであれば、瞬きしている暇は無い。仕事なんか休んで今すぐ観よう。

私はテンションが上がってそのまま仕事を辞めた(実話です)

……余談だが、コリン・ファース演じるハリー・ハートの吹替が森田順平さんなのですが、もうこの人の声でしか考えられないくらいしっくりきます。
この映画は字幕派の方もぜひ日本語吹き替え版で観ていただきたい。

きっとあなたもこの台詞が言いたくなるはずだ。
「礼節が人を作る」、と。

【評価】★★★★★★★★★★ 10/10